ある小児科勤務医の伝えたいこと。



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ある小児科医が伝えたいこと。

2011年2月16日以降更新されません。

ワクチンについて


効果:小児で十分な免疫が期待できるのは2回目の接種2〜3週間後からです。ワクチンにより重症化の予防が期待できます。ただし重症化の可能性が完全になくなるわけではありませんし、インフルエンザにかかることはありえます。

副反応:現在使用しているワクチンは従来の季節性インフルエンザと同じ作り方で作られたものです。世間全体が過敏になっているため、副反応の報告が多くなる可能性もあり、単純に比較はできませんが、作り方が同じため副反応は従来のものと大きく変わらないと考えられています。一般的な副反応は接種部位の痛みや腫れがあります。これらは程度が強くなければ自然と治ります。接種後に発熱することもありますが、多くはワクチン以外の風邪などの熱がたまたまワクチン後にでることが原因のようです。高熱であったり、ひどくしんどがったりしていなければ特に問題はありません。接種後に死亡したという報道を心配される方もおられますのでこの点についても触れておきます。亡くなっている方は持病を持っている状態の良くない高齢者であり、ワクチン後にたまたま亡くなったと考えられる方がほとんどです。ワクチン自体に問題があれば重大な副反応が起こる年齢はもっとばらばらになるはずですが、実際はそうはなっていません。

ただし、気をつけるべき副反応がひとつあります。それはアレルギー反応によって起こるアナフィラキシーという副反応です。これは接種後、15分(ほとんどは30分以内)に気分が悪くなったり、血圧が下がりふらっとしたり、ジンマシンが出てきたりします。このため接種後、15〜30分は顔色や意識状態を良く見ておいてください。この間は院内にいていただくか、院内にいない場合でもすぐに受診できるようにしておいてください。アナフィラキシーが疑われる場合は速やかに受診して下さい。ただしこのようなアナフィラキシーはどの予防接種にも起こることがあるもので、今回のワクチンだけに特徴的なものではありませんし、起こる確率はそれほど高くはありません。
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