ある小児科勤務医の伝えたいこと。



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ある小児科医が伝えたいこと。

2011年2月16日以降更新されません。

伝えたいことの主旨


コンビニ受診という言葉があります。夜間や休日の不要不急(本来、受診が必要でない状態やあわてて受診する必要のない状態のこと)の受診のことをいいます。コンビニ受診が増えた原因は患者さん側に原因があるように思われていますが、これは主たる原因ではなく、大本の原因は私たち医療者自身であると私自身は考えています。大勢の患者さんを診ようとすれば説明は短時間となってしまいます。これではどのようなことに気をつけるべきか、どのようになったら受診(再診)する必要があるのか、親御さんに伝わるはずもありません。そのような状態は不安も感じやすく、そして不安があれば受診したくなるのは当然のことでしょう。

また子供の発熱の大半はいわゆる風邪によるものであり、早ければ一晩で下がってしまうこともよくあります。風邪に対しては症状を緩和する薬はあっても特効薬は存在していません。これらのことを知らなければ、急な発熱で救急外来を受診し、そこで何らかの薬が処方された場合、早期に受診し、薬を飲んだからすぐに治ったと思ってしまうかもしれません。このような場合、次に同じことがあればやはりすぐに病院にかからなければと思ってしまうのも当然です。

しかし、不必要な受診は子供にとっても親御さんにとってもできるだけ減らしたいものです。私自身は外来でなるべく子供自身や親御さんに不必要な不安が生じないようにと説明に時間をかけるよう心がけていますが、十分に時間を割けないときもあります。また一度にたくさん説明しても記憶に残ることは限られています。このため要点をまとめた説明文もよく利用しています。今回、これを一般に公開させていただくことでより多くの方の役に立てればと考えましたので、ぜひご参考にして下さい。

ただし、それでも不安が残る方もおられるでしょう。頭の中で理解していても実際に病気の子供を見たときに判断に困ることもあるでしょう。そのような場合は不安を抱えたままお家で見るよりも医療機関を受診しましょう。状況によっては受診を繰り返すことも悪くありません。そうしているうちにだんだんと判断ができるようになってくるはずです。そのような前向きな受診は大歓迎です。ただし救急性がなさそうであれば、なるべく平日の日中の一般外来を受診するようにして下さい。また信頼のおけるかかりつけ医を見つけるようにして下さい。
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